東京地方裁判所 昭和44年(借チ)3038号 決定
〔主文〕1 申立人が別紙目録記載の土地賃借権を譲り受けることを許可する。
2 申立人は、相手方に対し、金四八三万八、七〇〇円の支払をせよ。
3 賃料を本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り月額七〇円に改める。
〔理由〕(申立の要旨)
1 申立外岩井コムメは、相手方から東京都大田区久が原五丁目三四一番田一反二四歩(現況宅地)のうち535.73平方米を普通建物所有で賃借し、同地上に家屋番号一九九番二木造瓦葺平家建居宅床面積三六坪及び家屋番号六八五番二木造瓦亜鉛メツキ鋼板交葺二階建工場、事務所、宿舎床面積一階四六坪九合一勺二階一九坪五合の二棟の建物(以下本件建物という。)を所有していた。
2 申立人は、右二棟の建物の所有権を競落により取得し、これにともない敷地の借地権の譲渡を受けたが、相手方は、借地権譲受を承諾しないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によると、野口杉太郎(相手方の父)は、昭和一六年九月一日高野平に東京都大田区久が原五丁目三四一番田一反二四歩のうち533.19平方米(一六一坪二合九勺、以下本件土地という。)を普通建物所有の目的で期間を定めずに賃貸し、岩井コムメが高野平から同人所有の本件建物を買い受けて右借地権を取得したこと、一方、相手方は、昭和三五年八月一四日野口杉太郎の死亡による相続により賃貸人の地位を承継し、右土地賃貸借契約の現在の内容は別紙記載のとおりであること、岩井コムメは、本件建物に抵当権を設定し、右抵当権が実行された結果、申立人は、本件建物を代金一四七〇万円で競落し、昭和四四年九月一六日競落許可決定の言渡を受けたことが認められるので、申立人は本件建物の競落により本件土地賃借権の譲渡も受けたことになり、申立人が本件土地賃借権の譲渡を受けても、賃貸人である相手方の不利になるおそれはないものと認められるので、本件申立は、これを許可すべきである。
2 附随処分
本件許可の裁判にともない、当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に対し、相手方に対する財産上の給付を命ずるのが相当であり、その額は鑑定委員会の意見に従い、本件土地の借地権価格(3.3平方米当り一四万八、二〇〇円)の約二〇%に当る金四八三万八、七〇〇円とし、同委員会の意見に従い賃料を3.3平方米当り月額七〇円に改める。
(小山俊彦)
目録
土地賃借権
一、当事者
賃貸人 相手方
賃借人 岩井コムメ
二、借地
東京都大田区久が原五丁目三四一番田(現況宅地)1,071.07平方米(一反二四歩)の内533.19平方米(一六一坪二合九勺)
三、目的
普通建物所有
四、期間
昭和四六年九月一日まで
五、賃料
昭和四四年六月一日以降一ヵ月八、〇六五円